Nov. 04, 2005

Victor Wooten

Lincoln Goines, Derico Watson

Dominique DiPiazza

"Bass Tribute Session"

〜奇跡の1夜〜

まさにプロフェッショナル!わずか数時間前に集まった4人。打ち合わせは最小限、ライブの自然誘発的なポテンシャルが爆発したクリニックライブ。ヴィクター、ドミニク、リンカーンがそれぞれの持ち味を生かしきったベースオーケストラショウは、今回サムズアップに足を運んでよかったと心から思わせました。

圧巻は2ndステージ。ヴィクターのソロから始まります。約30分にもおよぶ独奏でしたが一瞬たりとも目が離せないヴィクターのパフォーマンスは観客を飽きさせるということがまったくありません。そして特筆したいのは、ハーモニクスを絡めたアメージンググレイスでした。フォデラベースの特徴でもある伸びのあるサスティーンを十二分に生かしきった演奏は観客をノックアウトしました。永遠に続くかのような美しいハーモニクスのサスティーンはフォデラベースなくしては考えられない演奏でした。

ヴィクターに続きドミニクが登場。いきなりの高速パッセージから美しいアルペジオをからめ、フランス人の彼らしい(?)哀愁のベースプレイを披露。サムピックを使った独特のプレイスタイルで観衆をあおります。ドミニクもまたフォデラベースのなかでも落ち着いた美しいトーンに定評のあるシングルカッタウェイ(インペリアルモデル)の持ち味を最大限引き出していたでしょう。メローな切ないメロディを奏でるときの美しいトーンはドミニクならではの繊細なタッチがあればこそです。長いキャリアのなかで培ったテクニック至上主義と楽曲のメロディセンスが見事に調和した素晴らしい演奏でした。

そして今回のショーでアンサンブルを完璧に纏め上げ、いぶし銀のプレイが光ったリンカーンゴーインズ。本当に素晴らしかった。フォデラ リンカーンゴーインズモデルのフレットレスをつかっての安定した演奏。意識的にかボトムの音域を中心にショー全体をかっちりと締めます。もちろん独奏ではフレットレスならではのメローな深いトーンで一気に聴衆の耳・目をひきつけてしまうコントラストはリンカーンならではの卓越したプレイセンスを物語っています。デリコワトソンとの息も見事なまでに合っていました。

約2時間半のプレミアムショーはまさに奇跡と呼んでも言い過ぎではない素晴らしい感動を与えてくれました。そしてヴィクターのソウルサーカスツアー最終日は東京渋谷のO-EAST。奇跡は再び起きるのか?→3人が11/6O-EASTに集結決定!!